もちろん子供にも危ないカフェイン

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カフェインの危険性を語るときに、どうしても妊婦さんに焦点を当ててしまいがちですが、実際に影響を及ぼすのはお母さんに、ではありません。胎児、つまり赤ちゃんに、です。

妊娠中にアルコールを多く飲むと赤ちゃんが「胎児性アルコール症候群(FAS)」という先天性疾患にかかると言われていますが、こちらは母体、つまりお母さんがアルコールを飲まなければ絶対に起こりえない疾患です。それはどういう意味かというと、赤ちゃんは、お母さんの飲食物にとんでもなく影響される、ということなのです。

そして、カフェインも、お母さんを通じて、赤ちゃんにわたります。胎児の時は、へそを緒を通じて、乳児の時は、母乳を通じて。

カフェインが危ない危ないといっても、私たちは実感がありませんでした。周りを見渡せば、普通にコーヒーや紅茶があふれていますし、エナジードリンクも種類を増して我々の生活に浸透しています。

危なかったらこんなに簡単に手に入るものでしょうか?あまりに日常に溶け込みすぎていて、実感がないのも無理はありません。

そこで最近、驚くべきニュースが入ります。

アメリカで、10代の子供が、エナジードリンクを大量摂取して死亡したケースが報告されたのです。

そして、日本でも20代男性がエナジードリンクを過剰に摂取してカフェイン中毒で死亡した国内初のケースも報告されました。

カフェインも大量摂取すると危険と言われる致死量があります。それは、コーヒーで言うと、相当無理をしなければ飲めない量であったりと、考慮に値しない量でした。

それが最近のエナジードリンクなどのカフェインが大量に摂取できる商品が現れたことで、ちょっと無理をすれば摂取できてしまう可能性が生まれたのです。

摂りすぎた例を挙げましたが、大人が摂りすぎれば危険なカフェインが、小さな子供や赤ちゃんに安全なわけがありません。

自分の身に降りかかれば実感も沸くでしょうが、いつの間にか子供に・・・なんてことになれば、悔やんでも悔やみきれないでしょう。

我々は、カフェインに対する認識を改めなければなりません。

日常で普通に飲んでいるコーヒー一杯でも、子供にはとんでもない劇物になる恐れがある、なんて、子供にはわかりません。私たち大人が、しっかりとした認識を持って、子供から、カフェインを遠ざけなければなりません。

カフェインは身の回りのどこにでもあります。

その気になったら、簡単に手に入ります。そして、簡単に摂取できます。

まず、身の回りのカフェインを確認しましょう。そして、アルコールの様に、大人がしっかり管理しましょう。ジェットコースターの身長制限の様に、ある程度成長するまで飲ませない。そう言った毅然とした決まりをまず作ってみるのもいいかもしれません。

しかし、大人が美味しそうに飲んでいたり、エナジードリンクの様にジュースと見間違うようなものが目の前にあると、子供はどうしても飲んでみたくなります。そのため、子供がいる時には、いっそのこと、周りからカフェインの入った飲料を排除してみるのはいかがでしょうか。

もちろん、コーヒーや紅茶を好きな方には苦痛でしょう。ティータイムをなくせとまでは言いません。子供が小さいうちは、すべてをカフェインレス商品に変えてしまうというのはどうでしょう。

昔に比べ、カフェインレス商品は手に入りやすくなっています。値段はまだやはり高くつきますが、子供の安全を考えれば、一考の余地があると思います。

大人が危ないと思っていないものが、子供には危ない、というものはいくらでもあります。もしかすれば、自分はカフェインの脅威から、運よく回避できただけに過ぎなかったのかもしれません。だからカフェインを怖いものと思っていない方、たくさんいるのではないでしょうか。

私も毎日コーヒーを2・3杯は飲みます。

夜遅くに飲むと、いざ眠りにつこうかと思った時になかなか眠れない、と言った経験ももちろんあります。

今思えばあれがカフェインの効果か、と自覚はするものの、決定的に体が悪くなったり、ずっと目がさえたりするわけではないので、時間がたてばすっかり忘れてしまう程度の物です。

でも、カフェインはありましたよね?カフェインの存在を身をもって確かめましたよね?

確かにカフェインは私たちの身の回りにある。それを自覚し、危険なものであると認識すれば、子供たちを守ることにつながるのではないでしょうか。