デカフェ《カフェインレスコーヒー》の成り立ち

1900年代初頭、コーヒー豆の輸送中にコーヒー豆が海水に浸され、自然にカフェインの一部が抽出された後、ドイツのコーヒー販売会社ルートヴィッヒ・ロゼリウスが偶然、デカフェ《カフェインレスコーヒー》を発見しました。

数年後、ロゼリウスは脱カフェインする手段として初めて特許を取得しました。しかし、彼の方法は、塩水だけでなく、ベンゼンという強力な化学溶剤も使用しました。

(ベンゼンは吸入すると少量でも眠気、めまい、頭痛、目、皮膚、呼吸器の刺激を引き起こすことがあります。妊婦の血液疾患、および胎児発達の問題に影響を及ぼすともいわれています。)

 

いまでは、コーヒーメーカーはより安全なカフェイン除去方法に切り替えましたが、カフェインを取り除くために強力な化学物質を使用しているものも多くあります。その一方で、カフェインと共にコーヒーの健康的な化合物が失われているのでは、とも言われています。

 

通常のコーヒー豆からカフェインを除去するには、3つの重要な方法があります。最も一般的なものは化学溶剤の使用するもの。そして液体の二酸化炭素(CO2)を使用。最後は水を使用したものです。

美味しいデカフェを飲もう

溶媒抽出

1906年にドイツで開発された、世界最初の脱カフェイン法。ケミカル・メソッド(chemical method又はprocess)と呼ばれます。エチルアセテート(天然には果実に含まれる)やメチレンクロライド(塗料、医薬品などの産業用に一般的に使用される)などの合成化学物質に依存したもので、カフェイン以外の成分も抽出してしまう欠点があります。

 

CO2(二酸化炭素)抽出

1974年に開発された、二酸化炭素でカフェインを抽出する方法です。

薬(溶媒)を使用しないので、環境面においても優れています。

 

水抽出

ウォーター・メソッド(water method又はprocess)、またはスイス式水抽出法(Swiss water method)と呼ばれています。1941年に開発され、1943年にアメリカで特許申請されました。

コーヒー生豆を水槽に入れ、水通しをしてカフェインとそのほかの水に溶けやすい成分も抽出します。そして抽出した水から有機溶媒を使ってカフェインだけを除去して残った成分を再び生豆に戻す方法です。

カフェイン以外を取り除かないことから、最も風味豊かな方法と言われていますが、そのため大変高価になり、大規模に生産することが困難な方法です。

マウンテンウォーター製法という水抽出法の名称を耳にすることがあるかもしれませんが、これはメキシコの山の水を使った水抽出法の名称です。

 

上記のとおり、3種類の製法でデカフェは作られていますが、ご覧のとおり、デカフェはカフェインのあるコーヒー豆からカフェインを抽出して作られることから、完全にカフェインを除去できているとは言えないものなのです。

限りなくカフェインを取り除いたコーヒー豆(ただし、カフェインが無いとは言ってない)、それがデカフェ《カフェインレスコーヒー》です。

カフェインレスとデカフェの違い

ファーストウェーブと言われる、日本にインスタントコーヒーが来て空前のコーヒーブームが到来してほぼ半世紀。いまやサードウェーブというコーヒーの新たなムーブメントが来ていると言われています。

それほど日本に根付いたコーヒー文化に、カフェインフリーカフェインレスデカフェというカテゴリーがあることにお気づきでしょうか?

コーヒーと言えばカフェインが入っていて、眠気覚ましに飲む、というカフェインの効果を期待して飲まれている方も多いと思います。

そのカフェインの効果にも、良い面と悪い面があります。

カフェインの良い面を端的に言うと、眠気覚ましやリフレッシュに効果的であり、

カフェインの悪い面を端的に言うと、多く常用すると中毒症を引き起こしたり、妊婦の方や子供に害を及ぼす場合もあります。

コーヒーにはカフェインが入っている

その悪い面を取り除いてコーヒーを楽しみたい、という需要が今高まっています。

その需要にこたえるカテゴリーとして、カフェインフリーカフェインレスデカフェなどがあります。

でも、カフェインフリーカフェインレスデカフェって何が違うのだろう?呼び方の違い?両方ともカフェインが入ってないのでしょう?と思われた方も多いかと思われます。

その違いを説明していきたいと思います。